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 2026年7月 航空遺産写真 今月の1枚

東飛式DA型LBS-2

航空遺産継承基金事務局で所有している写真を毎月1枚ピックアップしてご紹介します。 
 神奈川県の藤沢飛行場で撮影された東飛式DA型LBS-2の写真を紹介します。同機の初飛行の日である1955年8月9日に、当時航空局職員だった高橋正夫によって撮影されたものです。航空遺産継承基金では、高橋正夫氏が様々な航空機の検査に立ち会いながら撮影した写真を所蔵し、公開しています。(一般財団法人日本航空協会  航空遺産継承基金 ギャラリー 高橋正夫氏アルバムNo.1
 東飛式DA型LBS-2は、東京大学航空研究会で学生の操縦練習に使われた2人乗りグライダーです。主要構造部に強化プラスチックを採用した世界初のグライダーとしても知られています。

東飛式DA型の開発

 東飛式DA型は学生訓練用の複座練習機です。設計は、強化プラスチック材料の研究をしていた林毅、航空機設計の経験豊富な山名正夫といった東大工学部航空学科の航空工学者と学生たちによって行われました。製作にあたっては、グライダーメーカーの東京軽飛行機研究所の協力や日東紡績による資金やFRP材料の提供があり、日東紡績強化プラスチック研究所で1955年8月5日に完成しました。
 1955年8月9日から8月10日にかけて、戦前からグライダーのテストパイロット経験が豊富な小田勇の操縦で飛行試験が行われ、耐空検査に合格し、「淡青2号」と命名されました。淡青(Light Blue)は東大のスクールカラーであり、東大航空研究会にとってはLBS-1に次ぐ2機目のグライダーということで、同機は「LBS-2」と呼ばれます。

東飛式DA型のその後:2号機の製作、1号機のLBS-4への改造

 東飛式DA型は、東大航空研究会の1号機(国籍・登録記号JA0115、製造番55-D-001)に続いて2号機(国籍・登録記号JA0112、製造番号55-D-002)が製作され、文部省に納入されました。
 1号機は、東大航空研究会で飛行訓練に使われた後、胴体を鋼管羽布張りのものに作り直す改造とともに「LBS-4」と名前を改め、1960年代まで使われました。
 2号機は、文部省の滑空機指導者講習会等で使用されたといわれていますが、詳しいことはよく分かっていません。

   
離陸、上昇する東飛式DA型1号機LBS-2  LBS-2の胴体を新造し改名したLBS-4 文部省の東飛式DA型2号機

 なお、東飛式DA型については、現代のグライダー関係者の間では「LBS-2は東大航空研究会のグライダー」という意識が強く、登録された型式名の「東飛式DA型」ではなく、「東大式LBS-2」と呼ばれます。例えば、1999年発行の『日本グライダー史』は、東飛式DA型を「東大式LBS-2型」としています。

 今月より航空会館1階エレベーターホールに、東飛式DA型LBS-2の模型(制作者、制作時期不明)の展示をはじめました。この模型に関連して、今回写真をピックアップしました。

参考文献

朝日新聞社、1955、『世界の翼』1956年版、 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2480153
佐藤博著、木村春夫編、1999、『日本グライダー史』海鳥社(航空図書館所蔵):p.146-146
牧野健、2000、『東大LBS-2とLBS-3―その開発と製作の過程をたどる―』エアワークスTP編集部(航空図書館所蔵
林毅、2007年初出、「プラスチック・グライダー生誕半世紀 LBS-2/LBS-3 その世界初は日本製機だった 強化プラスチック製グライダーに就いて」瀬尾央編、Turn Point the Soaring Year Book of Japan, 10/07、エアワークス(航空図書館所蔵):p.105-109
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2026.7.31から設置(2026.08.03最終更新)