認定理由 |
認定理由:海に囲まれた日本は、第2次世界大戦が終わるまでの間、多種多様の水上機を開発・運用してきた。1940年(昭和15)に日本海軍に制式採用された零式水上偵察機は、すぐれた操縦・安定性や大きな航続距離などの特色を持っていた。日本の水上機の中で最大の生産数となる1,423機が作られ、運用実績なども含めて日本の水上機の代表といえる。零式水上偵察機は南さつま市が所蔵する機体を含めて2機が残るのみである。中でも1992年(平成4)に同地の吹上浜沖の海底から引き上げられた機体は使用当時の状態を良く保っている。また、引き上げ前の海底に沈んでいた状態を再現し機体の来歴を紹介する展示は文化財の保存活用の方法として評価が高い。これらのことから、当該資料は日本の水上機の歴史を今日に伝える貴重な資料であり、文化財的価値もきわめて高いといえる。 |