FAI 創立100周年記念総会

  1905年10月14日にパリ(フランス)で創立されたFAI(国際航空連盟)が100周年を迎えたことを記念して、丁度100年目にあたる2005年10月13,14日に創立地パリでAero Club de France(フランス航空クラブ)の主催によるFAI総会が盛大に行われた。ちなみにAero-Club de France は1898年に創立され、今年で107年になる世界最古の航空クラブである。

  総会参加国 44ケ国 及び 各国際航空スポーツ委員会プレシデント 計10人 その他4  参加各国代表者 119人、 日本からは 平沢秀雄( FAI 執行役員)、原貞夫(日本航空協会 副会長) 逆井幸江(日本航空協会航空スポーツ室部長) が出席した。

  行事としては例年の年次総会とほぼ同じ議事に加え100周年を祝うため豪華な会場での夕食会及び各種スポーツ航空ならびに宇宙で偉大な記録や業績を上げた航空人(High Flyers)や関係者多数を招いた閉会夕食会及びHigh Flyers中心の記者会見が行われた。

10月12日 午後 開会式と表彰式ならびに夕食会(パリ市庁舎大ホール)

10月13日 午前、午後 会議、夜 夕食会(.ル・ブルジェ空港の航空宇宙博物館)

10月14日 午前、午後 会議 夜 閉会の夕食会は上述の人々を招いてフランス国会上院の建物(リュクサンブール宮殿)内で行われ、High Flyers延べ20名に記念メダルが贈呈された。

10月15日 午前 High Flyers 中心の記者会見とHigh Flyersを交えた総会出席者の昼食会(パリの商工会議所建物内)

議事の概要

1. 会員の状況
総会当日の会員数(国) 正会員76、準会員12、暫定会員7。
総会の議決により正会員2準会員1暫定会員2 が承認され、一方正会員2が除名、暫定会員1が非継続となり、結果正会員76、準会員13、暫定会員8、合計97。別に各種目の国際委員会会長13人がいる。
2. 会長の年次報告
3. 事務局長の年次報告
2004年に23の世界選手権が行われ56ケ国合計2,339名の選手が参加した。また9種目で合計404の世界記録が承認された。うち281は固定翼動力機による。安全性の面では事故により249人が死亡している。事故率では回転翼機ついで曲技飛行が高い。
4. 100周年記念行事の報告
FAI 新Logoの制定、100年の歴史を纏めた「High Flyers」の出版などのほかに全世界で38の記念イベントが行われた。其の中に日本で行われた5月のさいたまエアポートフェスティバルと7月のスカイレジャージャパンが含まれている。
5. 各航空スポーツ種目の国際委員会会長の年次報告
6. 財務報告
2004年の収支はプラスで順調、2005年も問題ない見込み、2006年の予算も承認された。
7. 規定(StatutesとBy-Laws)の一部改訂の承認
8. Air Games/World Air Gamesに対する今後の取り組み。 その他

ハイライト
1.

 12日の表彰式で日本の竹内翔祐君(12才 長崎県)が絵画コンテスト(Young Artist Contest)の10-13才の部で金メダルを受け大きな拍手で祝福された。 2003年にも桑原弘成君が金メダルを受けている

2.
  13日の夕食会の会場のル・ブルジェ空港の航空宇宙博物館の屋内展示は航空初期の気球、飛行船、黎明時代の多数の動力航空機そして2機のコンコードまで、さすがフランスとの印象である。しかし展示の説明はフランス語のみで、やや独善的な印象は否めない。

3.
  High Flyers Night: 15日の閉会式を含む夕食会はフランス上院(リュクサンブール宮殿)で開催され、High Flyers始めフランスの議員,高官さらに1905年の創立に参加した8ケ国すなわちベルギー、フランス、ドイツ、イタリー、スイス、スペイン、英国,米国の駐仏大使、スイス・ローザンヌの市長など多数が招かれ盛大であった。

4.
  記念メダルを贈られた延べ20人のHigh Flyersは下表の通り。各分野各航空スポーツ種目の第一人者の活躍はスポーツ航空愛好者のよい目標、よい刺激になる事を期待し、敢えて内容を紹介する。

  FAI 100周年記念の総会はFAIとフランス航空クラブの協力と努力により成功裡に終わった。立派な会場を提供されたフランス政府、パリ市、航空宇宙博物館に感謝し、それぞれの航空に対する熱意に深甚なる敬意を表する。

気球(Ballooning)
Bertrand Piccard (スイス)

1999年Brian Jones と組み、気球による最初の無着陸世界一周に成功。その他の活動。

気球(Ballooning)
Jean-Francois LeysおよびVincent Leys (フランス)

Gordon Bennett カップで4回優勝。その他気球による距離と滞空時間の記録多数。

天文学(Astronomy)
Audouin Dollfus (フランス)

ガスと熱気球のパイロット。いくつかの高度記録保持者で高高度からの天文観察の先駆者。

気象学(Meteorology)
Luc Trullemans (ベルギー)

気象学者。Leys兄弟、Bertrand Piccard,Steve Fossett等の記録飛行を支援。

General Aviation
Steve Fossett (米国)

2002年気球で単身無着陸世界一周、2005年単身小型ジェット機で無着陸無給油の世界一周ほか世界記録多数

宇宙(Space)
Buzz Aldrin (米国)

軍人パイロットで宇宙航空学博士、1969年7月Neil Armstrong と共に人類最初の月面歩行を行い、更に宇宙の探索に貢献。            

宇宙(Space)
Valery Poliakov ( ロシア)

医師で宇宙飛行士。宇宙長期滞在記録 第一回 8ケ月(1988-1989) 第二回 14ケ月(1994年1月-1995年3月)

ロータークラフト(Rotorcraft)
General Valerie Andre (フランス)

医師、パラシュティスト、ヘリコプターと飛行機のパイロット。インドシナでの救難とアルジェリアでの秩序維持のため多くのミッションを実施。

ロータークラフト(Rotorcraft)
Jean Boulet (フランス)

ヘリで多くの記録を樹立,高度12,440メートルの記録をもつ。

パラシュート(Parachuting)
BJ Worth (米国) 

パラシュートで世界チャンピオン3回、World Team と共に人目をひくイベント(多人数によるフォーメイション・ジャンプ)を実施している。前FAI国際パラシュート委員会会長。現在FAI執行役員

パラシュート(Parachuting)
Cheryl Stearns (米国)

スタイルとアキュラシーで世界チャンピオン2回、30の世界記録保持者、ジャンプ合計16,200回、US Airwaysのキャプテン。

グライダー(Gliding)
Klaus Ohlmann (ドイツ)

東ドイツのチャンピオン。飛行に危険な山岳波の乱気流の研究のため1998年に山岳波プロジェクトを始めた。

グライダー曲技Aerobatic Gliding
Jerzy Makula (ポーランド)

グライダー曲技飛行のパイロット。ポーランド・チャンピオン12回、
欧州チャンピオン2回、世界チャンピオン6回。POL航空のキャプ
テン。FAI執行役員。指導のため毎年来日。

ハンググライダー
(Hang Gliding) Manfred Ruhmer (オーストラリア)

世界チャンピオン3回、何回かの欧州チャンピオン。2001年にテキサスで出した距離の世界記録700.6kmの保持者。

曲技飛行(Aerobatics)
Svetlana Kapanina (ロシア)

曲技飛行で世界チャンピオン5回の女性パイロット。茂木のFAI 世界曲技飛行グランプリで人気の高い美人パイロット。

曲技飛行(Aerobatics)
Catherine Maunoury (フランス)

世界チャンピオン2回(12年間隔で). 何回かの欧州チャンピオン。 父親の影響で幼少より曲技飛行にあこがれその道に進んだと言う。

マイクロライト(Microlight)
Mike Blyth(南アフリカ)
Oliver Aubert(スイス)

マイクロライト機2機雁行で、1995年Cape TownからCap Nordまで、1999年Buenos Aires からCape Townまで、2003年ナミビア横断、2004年アフリカ6ケ国など合計82,000kmを翔破。

自作機(Amateur Building)
Jon Johanson (オーストラリア) 

自作小型飛行機で西から東、東から西と地球を3回廻った。自作機RV4作製に2000時間かかった。47の世界記録をもち、2004年のFAI Gold Air Medalを受賞。

執筆

平沢 秀雄

FAI執行役員・(財)日本航空協会顧問

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