新年のご挨拶

 新年あけましておめでとうございます。年頭にあたり日本航空協会を代表してご挨拶申し上げます。

 近年、わが国の空の環境は大きく変わりつつあります。国家の成長戦略としての観光立国が推進され、成田・羽田の発着枠の拡大、LCCの普及が進み、空港経営改革のさきがけとして、仙台空港と関空・伊丹の民間への運営委託が平成27年度中の事業開始を目標に順調に進んでおり、空港環境にも大きな変化があると期待されています。また、MRJのロールアウトや小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げ成功など、技術開発も進展しています。

 本協会といたしましては、わが国のこのような航空宇宙分野の発展に資するべく、事業を進めていく所存でございます。

 機関紙『航空と文化』および定例講演会においては、航空宇宙の各分野で活躍されている方々のご協力をいただき、身近な航空スポーツなどから最新鋭国産機、そして宇宙開発に至るまで、広範な話題を皆様にご紹介いたします。

 航空遺産継承の取り組みとして、これまでに多くの貴重な資料の寄贈を受け、(独)国立文化財機構東京文化財研究所のご協力の下、公開へ向けて整理を行っています。その成果として、1945(昭和20)年までの日本の民間航空機に交付された登録記号の調査結果をまとめた書籍の出版を予定しています。また、本協会が所有しております三式戦闘機「飛燕」二型は現在知覧特攻平和会館に展示させていただいておりますが、航空遺産を次世代に伝える取り組みの一環として、今年後半から川崎重工業様のご協力を得て約1年間の予定で修復を計画しています。修復後はかかみがはら航空宇宙科学博物館に展示させていただく予定です。

 航空スポーツの分野では、日本のNAC(National Airsport Control)として国際航空連盟(FAI)の総会への参加や日本選手権や世界選手権出場の公認、日本記録や世界記録の承認や管理、オリンピック委員会等の世界大会への航空スポーツ選手団の派遣など、これまでの支援活動を鋭意継続致します。さらに、毎年FAIヤングアーティストコンテストでも好成績を収めている「青少年航空宇宙絵画国際コンテスト」、こども模型飛行機教室や航空スポーツ教室の開催にて、こどもたちの空への憧れや科学する心を育む支援も同様に行ってまいります。

 「国際線発着調整事務局」業務の受託も8年目を迎え、我が国の混雑空港である成田国際空港、関西国際空港、東京国際空港、新千歳空港に就航する国際・国内定期便に関し、諸制約を踏まえつつIATA(国際航空運送協会)のガイドライン等に則って、中立性、公平性、透明性を確保しつつ、公正に業務を行ってまいります。

 現在の日本航空協会があるのは、ひとえに空を愛し宇宙を愛する皆様の温かいご支援があってのことと、あらためて御礼申し上げます。引き続き皆様方のご指導とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 皆様のご多幸と航空宇宙文化の醸成と航空宇宙技術の発展を祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

一般財団法人日本航空協会 会長
野村 吉三郎(のむら きちさぶろう)

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